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よくある質問

M&A について

Q1.

事業売却の「決断」に関して基本的な考え方を教えて下さい。

A1

『いかに事業を継続させるか』ということを基本方針として意思決定をして下さい。
自社を譲渡するからといって、次の日から全く他人となる、というものでもありません。経営権は譲渡しつつも引き続き役員として数年間事業に関わっていただく形も増えてきています。

また、「売上高」、「業績低迷の打開」、「若い労働力の確保」、「技術・サービスの拡充」、「法改正への対応」などを現在の事業単体の規模で継続することが難しと感じられる場合は、外部との提携により発展的な形で事業の存続を図ることができます。

無所属の議員が政党に入るようなイメージでも良いかもしれません(代議士でなくなるわけではない)。

Q2.

近年注目されている、中小企業のM&Aとはどのようなものですか?

A2

簡潔には、企業オーナー(親族含む)が保有する全株式を第三者に譲渡することです。
中小企業のM&Aにおいては、最も利用される手法といえます。
いわゆる「オーナーチェンジ」ですので、商号だけでなく資産・負債も包括的に引き継がれます。
そこで、株式譲渡の場合、譲渡後の次の日の経営も何ら変化が生じません(法人名もそのまま、電話応対も従前通り)。
業績不振企業あるいは不採算事業(または店舗)などを切り離す場合には、事業譲渡や会社分割などの手法も用いられています。

Q3.

お相手はどのような方になりますか?

A3

同業種、周辺業種等さまざまですが、通常は同業種が譲り受けることが多いです。
年商規模については2~3億円の法人を年商40億円~100億円の企業が引き継ぐなど、事業規模が数倍以上の会社が譲り受けることが多いです。この場合、資金・ノウハウ・人材等が投入され、経営基盤が強化されます。
 
なお、譲受法人のメリットとしては、商圏・業界でのシェア・ノウハウ・許認可事業等の獲得などがあります。

Q4.

最終契約が完了するまでどれくらいの日数がかかりますか?

A4

お相手が見つかってから6ヶ月程度というのが教科書的な「お返事の仕方」となります。
最近では、M&Aの活用が活発になってきていますので、従前ほど時間がかからないケースも増えてきました。短いケースでは最初のトップ面談から最終契約まで2ヶ月程度で完了するケースも出てきています。
なお、長いケースでは、業務受託してから1年~2年かかることもあります。

Q5.

費用はどれくらいかかりますか?

A5

譲渡対象法人の「時価総資産(株価に負債を加えた額)の5%」というのが業界の一般的な相場です(レーマン方式)。
弊社では、売買金額(負債を含まない)に対して一定の料率を乗じる計算方式を採っています。
詳細については、本ホームページの報酬体系をご参照下さい。

Q6.

手取額はどの程度になりますか?

A6

ある利得に対して20%程度は課税されるという「前提」はご理解いただきたいところです。また手数料を10%程度と見込んでいただくと、 売買金額(株式譲渡代金+役員退職金)の70%程度がおおまかな手取額ということになります。
なお、株式譲渡代金と役員退職金支給額のバランスで売買代金の70%を超える手取額の実現を図ることができます。

Q7.

従業員への説明はどうしたらいいですか?

A7

最終契約日まで一切情報漏洩してはなりません。
これは、必要のない動揺が広がり、モチベーション低下や幹部の退職などの事態を招くことを避けるためです。また、取引先に漏洩することで結果がよくなることは一つもありません。
最終契約日まで一切口外せずに、最終契約後に全従業員に対して新旧のオーナー双方から丁寧な説明が行われることで、従業員に対しても「前向きな決断」であったことを伝えることができます。

Q8.

取引先への説明はどうしたらいいですか?

A8

株式譲渡後でも、しばらくは代表権のない取締役(無給であることが多い)となり、引継ぎ期間を設けて取引先への説明や業務の引継ぎを丁寧に行っていただいております。

Q9.

株式譲渡の場合、「簿外債務」や「偶発債務」が怖いのですが、どのようにリスクヘッジされていますか?

A9

弊社では引き継ぎ後に発生すると予想される項目について、3つのツール(又は機能)を活用してトラブル防止に役立てています。今日、M&Aが活性化している理由の一つに、このようなリスクヘッジの対応が機能していることも大きな要因となっています。

Q10.

法人の実印を渡すことがイヤなのですがどうしたら良いですか?

A10

この点がどうしても引っかかるということで、M&Aを断念された方がおられました。
通常、連帯保証の解除は最終契約前に準備をして、譲渡代金決済時に速やかに行われますし、新体制の経済取引について基本的に責任を追うことはありません(M&A最終合意契約時の表明保証違反などは除く)。
それでも、心情的に不安が残るという場合は、法人の登録印(実印)を変更することで、この不安は解消できます。

顧問税理士への相談について

Q1.

顧問税理士へM&Aを相談した方がよいですか?

A1

法律上守秘義務を課されています。情報漏洩に気をつけながら、是非早めに相談して下さい。
ただし、12月~5月まで繁忙期間、税務調査対応や相続税の申告など、他にもスポットの業務をかかえておられるケースもあり、親身になってに相談に対応してもらえることと、実際にお相手を探すことは別ものとして理解しておくことが必要です。

Q2.

顧問税理士へM&A(譲渡)を相談する場合に気をつけるべきことは何ですか?

A2

まず、『反対される』可能性が高いということです。この大きな理由は経営者の意思決定にはまず「反対又は消極的な対応」をしておくことが賢明だからです。
また、譲渡の意思決定の背景がわからなかったり、断片的な情報だけで詳細が全くわからなかったり、あるいは、後日責任を問われる可能性などから「簡単に答えられない」ということもあります。
「良い決断なので、早速譲渡しましょう」という回答は得られないものとして相談して下さい。
なお、顧客(関与先)を失うから反対する、あるいは消極的に対応するといったことはごく少数派と思われます。

Q3.

事業の売却を相談しようと考えていますが、顧問税理士へどのように相談したら良いか教えて下さい。

A3

売却の意思決定が弱いと、「事業継続」を申し入れられることが多いですので、早めに外部のM&A専門業者へも
相談されることをオススメします。
なお、売却の意思決定が強固な時は、
(イ)顧問税理士が「直接」M&A支援の実績を有している場合
  →企業評価を算定してもらって、適正価格を把握することから始めると良いです。
(ロ)顧問税理士が「直接」M&A支援の実績を有していない場合
  ①顧問税理士がM&A業者と提携しているケース
   →提携先の紹介を受けることになります。
    この場合、多くのケースで紹介フィー(通常、M&A専門会社から会計事務所へ
    支払われる)が発生していますが、会計事務所とM&A専門業者の双方から
    同時に専門分野のサービス提供を受けることができます。
  ②顧問税理士がM&A業者と提携していない場合
   →検索サイトなどで表示されるM&A業者へ相談することとなります。
    弊社でも初期相談は無料で対応していますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
   →ポイント:顧問税理士からM&A業者へスムーズに自社の決算資料等を提供をし
         てもらうための文書を作成し、当該文書を顧問税理士へ渡しておく
         と良いです(参考文書を添付していますのでご活用下さい。

 
資料提供に関する
顧問税理士への依頼書

Q4.

M&Aの売却案件の紹介があり、買収を考えていますが、顧問税理士へどのように相談したら良いですか?

A4

まず、「安いので、買いですね」と即答する税理士はいませんので、相談する前にあらかじめ「よく考えて」や「止めたほうが良い」といった「反対又は消極的な回答が待っている」という前提で相談して下さい。

このような回答になるのは、A2でも述べましたが、譲渡の意思決定の背景がわからなかったり、断片的な情報だけで詳細が全くわからなかったり、あるいは、後日責任を問われる可能性などから「簡単に答えられない」といったことが理由になります。

しかし、M&Aの業者から売却案件が持ち込まれたときの対応としては、投資可能な額を提示しておき、その範囲で収まるようであれば検討を開始していく程度の回答はなされたほうが良いです。これは、M&Aの情報提供について受け皿がないと判断されると、その後の情報が入ってこなくなる可能性があるからです。

M&Aの世界には、「買収して失敗するリスク」もあれば、「買収せずに失敗するリスク」もあります。実際に、「あのとき買っておけばよかった」といって後悔されるケースもあります。
外部の専門家からリスクばかりを並び立てられて、結局「何もしない」ことでかえってジリ貧になる可能性もあります。人口減少社会の中で市場が小さくなっていく状況下では、積極的な選択を検討すべきときがあります。顧問税理士へ意見を求める場合は、文書等で責任を問わない旨を十分伝えた上で、「高い」「やめたほうが良い」以外の意見を求めることも重要です(参考文書を添付していますのでご活用下さい)。
 
買収検討にあたり、
顧問税理士へ相談する際の文書